2022.11.01内装材の中でも、大きい面積を占める床材。用途で選ぶ?お好みで選ぶ??
フローリングや床材の種類は、近年、非常に増えてきています。住宅内装など様々な用途で使用される床材は、用途や質感にこだわり慎重に選びたいものです。フローリングを含めて床材の種類や特徴、豊富な床材の種類からご自分のお気に入りの床材選びにお役立てください。
目次
■フローリング
①突板フローリング(タイプ:複合フローリング)
②シートフローリング(タイプ:複合フローリング)
③無垢(むく)フローリング(タイプ:単層フローリング)
■ビニール系床材
①クッションフロア
②長尺シート
③フロアタイル
■畳
①敷き込み畳(昔ながら)
②琉球畳
②置き畳
■まとめ
■フローリング
①突板フローリング(タイプ:複合フローリング)
突板(つきいた)フローリングとは、合板基材などに0.2~0.5mm程度のスライスした無垢材を接着した複合フローリングです。大手建材メーカーによって突板の厚みに違いがあり、色味や塗装などメーカーごとの特徴があります。とは言っても、突板なので意外
②シートフローリング(タイプ:複合フローリング)
シートフローリングとは、合板基材などに木目やタイル調の印刷したシートを接着した複合フローリングです。近年の印刷技術の向上により本物のような木目やタイルのようで、ラインナップが豊富です。そのかわり、印刷ですので木目やパターンがリピートになり、単調な感じを受けるかもしれません。
③無垢(むく)フローリング(タイプ:単層フローリング)
無垢(むく)フローリングとは、木材から切り出した無垢材をそのままフローリングに加工した床材です。無垢フローリングは、節や色むらといった木材の特性がそのまま床材に反映されます。同じ物が2つとないので、only oneとも言えます。主にパイン材や杉材といったもの主流ですが、桐材や竹材などもあります。
■ビニール系床材
①クッションフロア
クッションフロアは、合成樹脂の塩化ビニールなどを主原料として工業的に生産されるビニール系の床材です。木目調や石目調など様々な柄や色味の商品があります。接着剤で簡単に施工でき、水気に対して耐性があるので住宅の水回りなどでも多く使用されています。クッションフロアは比較的に弾性があり踏み心地が柔らかく、扱いやすい商品です。クッションフロアのデメリットはテーブルなど重い物を長期間置くと凹みができる事や物を落とした時に傷が付きシートが破れるといった事があります。
②長尺シート
長尺シートは、クッションフロアのハードバージョンです。土足で歩く、薬品が付着するなど様々なシチュエーションに対応できるようになっている為、強度が高く高価の物が多くあります。クッションフロアに比べ、質感が固くクッション性に欠けます。
③フロアタイル
フロアタイルも合成樹脂の塩化ビニール素材の床材です。クッションフロアは「塩ビシート」フロアタイルは「塩ビ素材のタイル」です。フロアタイルはクッションフロアと少し違いデザインされる木目柄や石目柄は凸凹も再現され本物と間違うほどリアルなデザインです。また、クッションフロアとの違いはクッション性が無いので、傷などに強く土足も対応している物もあります。フロアタイルは大きく分けると木目調、石目調などがあります。同じ木目でも様々なデザインや模様があります。同じ石目調やストーンタイプのフロアタイルでも表面がつるつるで光沢のあるものや石の素材がリアルに再現されごつごつとした物もあります。フロアタイルはクッションフロアよりも更にリアルなデザインが得られる床材です。
■畳
①敷き込み畳(昔ながら)/イ草仕様
182㎝×90㎝で、厚さが6㎝で、表面に「イ草」は張られ、縁を「へり」でカバーリングしてあるものが、昔ながらの畳です。畳の構成は、畳はい草などを原料とした畳表(たたみおもて)、芯材となる畳床(たたみどこ)、装飾性や耐久性を担う畳縁(たたみへり)の3つのパーツから構成されています。天然素材の藺草(いぐさ)には吸湿能力があり、調湿機能を持っています。高温多湿の日本の暑い夏にべとつかずにさらっとしているのはこの機能によるものです。梅雨時期の足の裏が「ペトペト」しないことも、調湿機能のおかげです。シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒトを吸着するとの結果も出ています。イグサが新しくても古くてもその威力にほとんど変化ないといわれています。藺草(いぐさ)の香りは「フィトンチッド」という成分によるもので、精神沈静作用があり、森の木々が発散している成分と同じような効果があります。香りは個人差があり、「いい香り」と感じる方もいれば、「苦手」で不快感を持たれる方もいます。最近の住宅仕様が、和室がほとんどなく、畳の需要も減ってきています。畳は、長年使用するうちに、日焼けや傷んでケバだってきます。そんな時は、畳の裏返し、畳表を一旦剥がし裏面を表にして貼り直します。その他、畳の表替え、畳表だけを新しいものに貼替えが可能ですので、再生できます。
②琉球畳/イ草(七島)素材仕様
琉球畳とは本来、琉球表(りゅうきゅうおもて)でつくられた縁無し畳のことをいいます。琉球畳に使われるイ草は、現在は大分県で栽培される七島イ草(しっとういぐさ、以下七島イ草)を使用しています。このイ草は強度がありながら、折って加工しやすいという特徴があるため、畳縁のない畳の原料として昔から使われてきました。しかし、近年、そのイ草の生産量が減少し、その希少性から琉球表でつくられた本来の琉球畳は価格が高いです。
③置き畳/ビニール系素材
最近、高価な琉球畳に代わる耐久性に優れるビニール素材のもの主流になってきています。技術の開発により素材、構造もイ草同様の風合いです。気層が適度でクッション性もあり、カラーバリエーションも豊富で、どのような場所にもしっくりきます。大きさは半畳より少し小さめで、85㎝×85㎝サイズです。フロアの上に置くだけでも使えますし、床と平にして埋め込むことも可能です。因みに厚さは12㍉です。フロアの上に置くだけでも、以外に滑らず固定されて使い勝手はよいです。
○○○○ 豆知識 ○○○○
~畳のサイズ~
・昔ながらの畳:182㎝×91㎝→6尺×3尺→1畳
・琉球畳:91㎝×91㎝→3尺×3尺→半畳
・置き畳:91㎝×91㎝→3尺×3尺→半畳
・1坪→182㎝×182㎝→6尺×6尺→2畳
・1尺→30.3㎝
・3尺→91㎝
・6尺→1間→182㎝
■まとめ
床材の種類と特徴を説明させて頂きましたが、近年、床材もいろいろな素材・カラーが出てきています。床材は、内装仕様の中でも、大きい面積を占めます。自分の好みに合ったもの、用途にあったもの、お手入れが簡単なものなどを上手に組み合わせて、お気に入りの場所にして頂けたらいいと思います。
因みに、建築業界でも流行廃りがあります。長年携わっていますと、流行りがワンクールしてしまいそうです。最近は、アッシュ系や、アースカラーなど人気があります。床材とは違いますが、ガラスもチェッカーガラスやモールガラスなどアンティークなものを好まれるようです。住宅設備に関しては、ユニットバスですと、洗面用カウンターは付けずシンプルにしたり、壁はマグネットが使えるタイプが人気です。ご自分で小物をチョイスして、カスタマイズするのもいいでしょう!キーワードは、「サスティナブル(SDGs)」2022年から特にキーワードとして各メーカーが掲げているのが「サスティナブル」です。サスティナブルとは「持続可能な」という意味で、最近頻繁にメディアに取り上げられる「SDGs」の基本理念でもあります。