2022.09.20内装仕上げ材の中でも種類豊富なクロス。住宅リフォーム工事の際はどう選ぶ
壁紙の汚れ、家族構成の変化、雰囲気を変えるなどの様々な理由で
室内の模様替えの相談をされる事があります。
『壁紙を貼り替えしたいけど、どんな素材、柄が良いだろう?』
『どんな事を注意しなければいけないのかな?』
といったクロス貼り替えリフォームに関する相談。
自分好みの雰囲気にリフォームをする為にこだわりたい方も是非この
機会に知っておいていただきたいクロス工事のマメ知識です。
住宅リフォームに携わり18年分の蓄積情報として掲載しますので、
これから内装模様替えを検討されている方向けに工事ヵ所によって
採用するクロス選びの際に少しでも記憶の片隅にでも残ってくれる
ような記事をご紹介します。
■目次
1. クロス工事の主な種類について
2.おすすめクロスとおすすめしないクロス
3.素材選びは大きめな現物サンプルを入手し検討がベスト
4.業者選びは内装知識+住宅の建築知識を持っている業者を選ぶ
5.まとめ
1. クロス工事の主な種類について
内装の模様替え工事の中では、最もポピュラーな内装材『クロス』
リフォーム実績のある住宅建築屋として、色んな視点からクロス工事
を提案している現状を紹介します。
①クロスの貼り替え工事
依頼の多くはこの工事でしょう。現在のクロスを剥がし、剥がした壁
の凹凸を調整して新たなクロスを貼る工事です
②聚楽壁や漆喰壁の上にクロス貼り
この依頼も年間ベースにすると多い方です。『壁がボロボロ落ちる』
『壁が落ちて剥がれている』などの理由で依頼があります。
ホントに直に貼るに適当かどうか判断に迷う事もしばしあります。
貼り方は既存の壁を固める下地調整材を塗りクロスを貼ります。
③化粧されているベニヤの壁にクロスを貼る
主に台所や居間などその昔内装仕上げ材として使われていました。
洋間(洋風)な雰囲気で内装屋さんが殆ど存在してない時代に
仕上げ材として大工さんが張る素材です。木目がプリントされた
3ミリ程度の厚さの化粧板です。その上に専用の下地材を塗りこみ
ある程度接着性を向上させてからクロスを貼ります。
④既存の壁の上から新たな壁を作成しクロスを貼る
上記で解説した②と③の壁の損傷程度が悪すぎて、クロスが貼れない
時に行う工法で現在の壁や天井に直にベニヤないし、石膏ボードを張り
新たな下地の上にクロスを貼る工法です。既存の不陸や損傷ヵ所が解消
された状態で貼るので、比較的新築工事に近い仕上り(クオリティ)に
なります。
以上にように工種は様々ですが、②と③は現在の壁の程度(傷み具合や
表面素材)によって、貼っても『膨れてきた』・『ヒビやシワがある』
『剥がれ始めた』なんて声をよく耳にします。安易に依頼をなさらず、
経験や知識が豊富な住宅建築業者に相談されると良いです。
2.おすすめクロスとおすすめしないクロス
まず世の中に出回っているクロスは主に6種類に分けられます。
ビニール系クロス、紙クロス、布クロス、珪藻土壁紙、木質系壁紙、
オレフィン壁紙。その中でも、リフォーム工事でのシェア(約9割)
はビニール系クロスです。ビニール系クロスは色、柄の種類が豊富
なので選ぶ際に用いる代表的なクロスです。そしてクロスのグレード
は大きくわけて2種類となり、『量産型(スタンダード)』
『1000番台(ハイグレード)』のに分けられます。
リフォームでのクロスを使用する際は、色や柄を選択する前に工事の
種類によって選ぶ素材を検討すると良いです。私が長らくリフォーム
工事を中心に業務を行ってきた実績をふまえ紹介しますと。。。
基本凹凸感のある(比較的厚手に感じる)クロスが綺麗に仕上がります。
(施工サイドの我々も安心です・・・)これは貼り替えにしても既設の
化粧壁に貼るにしても、貼る相手が平らでないからです。貼り替えに
関しては、もともとのクロスは貼り替えする事を前提として施工されて
いるわけでもないので、綺麗には剥がすことが難しい為、紙一枚程度の
目ではわかない厚みが部分的に発生します。
そこに、わりと薄手のクロスや表面が平坦なクロスを貼ると、下地の凹凸
が目立ってしまう場合があります。特に天井は照明の加減で目立つことが
あります。学習せずに施工してしまうと後で施主から、貼り方の指摘をも
らう事があるんです。『聞いてない』『仕方ない』のやりとりで、結局厚
手のクロスに貼り替えたという失敗例も経験しています。また、既設の化
粧壁や和室の聚楽壁に直貼りする工事も同様です。さらに直貼りは接着度
合いが壁の劣化状況に左右されやすく剥がれ易くなる場合があるので、
キチンと専門化から調査をしてもらい適切な施工方法を提案してもらう事
が重要です。ご自身で行う分には良いですが、業者に依頼する際は仕上り
も期待してお願いするはず。ならば依頼側、受け手側共に理解された中で
の工事が理想的です。
3.素材選びは大きめな現物サンプルを入手し検討がベスト
クロス選びをする際は、大抵現物のサンプルをみて選ぶのですが小さい
サイズのサンプルになっているので、場合によっては良し悪しの判断が
付きにくく『これにしたのだっけ?』なんて事もよくある話です。
最近は画像で選ぶ人もいるようですが、出来るだけ現物かつ大き目の
サンプルを用意してもらい、品定めをするのが良いでしょう。色や柄も
解りやすくなりますし素材の厚さ感なども解りやすくて、施工前の印象
と施工後の状態との『差』が少なくてすみます。特にアクセントに使用
する、ベースのクロスよりも目立たせるクロス(色や柄)の場合は大き
めのサンプルで検討するとより現実的になります。また、クロスメーカ
ーによってはサンプルの所に『リフォーム推奨品』などと書かれている
品番があります。これはまさに下地の影響を受けにくい素材と言っても
過言ではありません(触るとわかりますが少し厚手で弾性があります)
クロス素材の選びはアナログに頼り『現場で・現物を・厳選する』です。
4.業者選びは内装知識+住宅建築の知識を持った会社を選ぶ
内装リフォーム業者を選ぶ際、どこに依頼してよいか悩む方もいます。
内装専門店・建てた大工さん・ホームセンターなど内装リフォームを手掛け
ている会社は多いです。クロスは大抵の壁や天井に貼れます。DIYでする方
もいるくらいです問題は『貼る場所の程度』です。クロスを貼るには当然
相手(下地)がいないと貼れません。希望する場所へ貼る際、壁にヒビが
入っているが進行しないのかどうか。または本当にこの場所にクロスで仕上
げる事が妥当なのかどうか。これは内装専門業者でなく住宅建築を専門にし
ている会社(リフォーム実績のある会社)に相談された方が良いですね。
ちょっと高価になるかもですが、そもそも『住まい』を良くしようと依頼する
フォームですから、生活空間が快適な環境にならなければ意味がありません。
そんな意味からすれば『家』を熟知している住宅を専門に扱っている、建築
会社に相談される事をオススメします。
5.まとめ
室内の模様替え工事の多くは・汚れた・傷んだ・飽きたなどの生活の不満が解消され
なければなりません。されとれリフォーム工事。新築とは違い『今の形』があるです。
クロスの工事は建築工事の中でも簡単そうに見えますが、実はとても大変で繊細な仕事
です。どんなクロスでもどんな場所にでも貼れるのではなく、『場にあった』施工方法と
クロス選びをして、キレイが持続する生活空間にしていきたいものです。